第4回 生成AIに「やってもらう」だけでよいのか
作業の支援だけでなく、自分の考え方を広げるために使う
生成AIを使うとき、まず思い浮かぶのは、
- 「公報を要約してもらう」
- 「分類候補を出してもらう」
- 「分析コメントを書いてもらう」
といった使い方ではないでしょうか。
これまで自分が行っていた作業を支援してもらえば、時間や負荷を減らすことができます。
ただ、生成AIにはもう一つの使い方があります。
答えを作ってもらうのではなく、自分の考え方を広げるために使うことです。
同じAIでも、使う目的で変わる
たとえば、パテントマップを見て、
「このマップの特徴をまとめてください」
と依頼すれば、生成AIが特徴を抽出してくれます。
これは、分析作業を支援してもらう使い方です。
一方、自分でマップを読んだ後に、
「私はこのように読みました。他にどのような見方がありますか」
と聞けば、使う目的が変わります。
自分では気づかなかった視点と比較したり、自分の読み方に偏りがないかを考えたりできます。
同じ生成AIでも、成果物を得るために使うのか、自分の思考を見直すために使うのかで、得られるものは違います。
自分で考えてから、AIと比べてみる
たとえば分析コメントを作る場合も、最初からAIに書いてもらうだけでなく、まず自分で考えてみます。
その後で、
- 「この解釈に飛躍はありませんか」
- 「別の解釈は考えられますか」
- 「この仮説で見落としている可能性はありますか」
と生成AIに問いかけます。
すると、自分の考えとAIの提案との差が見えてきます。
重要なのは、AIの回答を正解として受け取ることではありません。
なぜ自分はその視点を持たなかったのか。
AIの提案のどこに納得できるのか。
どこは違うと判断するのか。
こうした比較を通じて、自分の判断理由を言葉にすることができます。
自分で考える → AIにも考えさせる → 比較する → 違いを考える
この使い方なら、生成AIとのやり取りそのものが、分析のトレーニングになります。
生成AIを「考える相手」として使う
生成AIには、反対意見を出してもらったり、別の仮説を挙げてもらったり、自分の分析の弱いところを指摘してもらうこともできます。
作業を代わってもらうだけでなく、こうした「壁打ち相手」として使えば、
- 見る視点を増やす
- 仮説の幅を広げる
- 判断理由を明確にする
- 自分の弱い部分に気づく
といった使い方ができます。
生成AIを使うときには、
「AIに何をしてもらうか」だけでなく、「そのやり取りから自分に何を残すか」
も考えてみてください。
生成AIは、作業を減らすためだけでなく、自分の考える力を広げるためにも使えるのです。
▶ 次回は
生成AIを作業支援にもスキル向上にも使えるとすると、次に考えたいのは「どこまでAIに任せるか」です。
次回は、AIに任せることと、人が担うことをどのように分けるかを考えます。
